「高円宮殿下記念地域伝統芸能賞」は、地域伝統芸能の保存と継承によせられた高円宮殿下のご遺徳を後の世に永く伝えるため、伝統芸能の保存、継承、活用の全ての面にわたって抜きんでた功績が認められる個人または団体に贈られるものです。平成15年に制定されました。




早池峰神楽保存会 【はやちねかぐらほぞんかい】
(早池峰神楽の保存、継承、振興)

(岩手県花巻市)


早池峰神楽は大償(おおつぐない)と岳(たけ)の2つの神楽座の総称。記録資料等は現存していないが、岳の早池峰神社に文禄4年(1595)と記された獅子頭があることや、大償に早池峰山の修験先達をつとめた山陰家から伝えられたということから、その初源は南北朝時代にまで遡り、500年以上の伝統をもつ神楽であると言われている。
早池峰神楽(岳神楽、大償神楽)は、神楽の中でも卓越した技量を有しており、後継者不足という危機的な状況を乗り越えて、後継者の育成に努め、今日まで受け継がれており、平成21年9月には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産の代表リストにも登録され、地域文化の活性化や観光の振興に大きく貢献している。





「地域伝統芸能大賞」は、多年にわたり地域伝統芸能の活用を通じ観光又は地域の商工業の振興に顕著な貢献をしたと認められる個人又は団体を表彰することにより、国民の地域伝統芸能の活用に対する認識を高めるとともに、個性豊かな地域社会の実現に寄与することを目的として、平成5年に創設し、実施しているものです。


地域伝統芸能の実演に係わる団体又は個人



魚津たてもん保存会【うおづたてもんほぞんかい】
(魚津たてもん)

(富山県魚津市)


毎年8月第1金・土曜の2日間、諏訪神社では「たてもん祭り」が勇壮・華麗に行われる。この祭りは魚津市の「じゃんとこい魚津祭り」の一環として市外県外から多数の観光客を呼んでいる。約300年前から受け継がれている「たてもん祭り」は、豊漁と航海安全を祈願して、贄(供え物)を神前に奉納することからきたと言われている。船を見立てたそり台の中央に高さ16mの心棒を立て、約80〜90個の提灯を帆の形に飾り付けた「たてもん」は、総重量約5tにも達し、氏子7町内会(各町が1基を管理・保存)が1基あたり80名の人々で威勢よく引き廻す。
魚津たてもん保存会は、昭和50年の発足以来、その継承に努力を続けており、関係7町会をまとめ、青年団による笛・太鼓の後継者育成練習会や町内会による提灯、縄、下額等の準備等をすることにより、町内一丸となって祭りを盛り上げるなど、保存継承を通じて地域の活性化に貢献している。



地域伝統芸能を活用した行事の実施主体



新居浜市太鼓祭り推進委員会
(新居浜太鼓祭り)

(愛媛県新居浜市)


新居浜太鼓祭りは毎年10月愛媛県新居浜市で開催される。現在5地区(川西・川東・川東西部・上部・大生院地区)で、総台数51台の太鼓台が参加している。瀬戸内海沿岸にある数多い太鼓台の中でも新居浜太鼓台は豪華絢爛、勇壮華麗な「男まつり」の主役として全国的に有名である。 全市的な取り組みを図るため、新居浜市太鼓祭り推進委員会は、市議会、連合自治会、警察、行政、各地区太鼓台運営委員会、商工会議所、神社庁、氏子総代会、観光協会などの代表で組織されており、太鼓台の平和運行や観光客の歓迎ムードを盛り上げるための諸事業を行い、行事の観光資源としての活用に努めている。




衣装、用具等の製作、人材等の確保に関わる団体又は個人



田中 常治 氏 【たなかつねじ】
(「龍踊り【じゃおどり】」の龍体の製作)


(長崎県長崎市)


長崎市では、毎年10月7〜9日に「長崎くんち」が諏訪神社秋の祭礼として行われ、各町会から様々な奉納芸能が繰り広げられ、大変賑わう。社前の広場では、唐人おどりなど長崎ならではの異国情緒を感じさせる芸能があるが、なかでも全国的に最も人気があるのが「龍踊(じゃおど)り」で、江戸時代から始まっている。
田中常治(はる)氏(80歳)は、龍踊りの「龍体」の製作者として、昭和27年(1952)から製作に携わり、この50年以上の間、布と和紙を接着財で固める方法を考案するなどしながら、200体以上の龍体を製作し、加えて、獅子舞の獅子、猪の面なども製作している。この活動により同氏は、龍踊りの保存継承や長崎の観光振興に大いに貢献している。



その他特に顕著な貢献のあったもの



新潟市民謡連盟
(大民謡流し)

(新潟県新潟市)

毎年8月に開催される、新潟まつりのメイン行事の一つが大民謡流し」。市内のメインストリートにおいて1万4千人の踊り手が「新潟甚句」を踊る。多数の踊り手が一同に会して踊るまつり行事としては日本一と言われている。
新潟市民謡連盟は昭和30年より参加し、毎年の新潟まつり「大民謡流し」の運営主体を担っているほか、新潟市内での「芸能まつり」の開催や県外活動など「新潟甚句」の普及に広く取り組んできた。平成17年に設立50周年を迎え、現在、市内の民謡団体59団体が加盟し、会員数は800名以上と市内随一の音楽芸能団体となっている。
このような活動を通じて、政令指定都市新潟市における観光及び商工業を通じた地域振興に大いに貢献している。




「地域伝統芸能奨励賞」は、その地域に伝わる伝統芸能を受け継ぐために、日頃研鑚と地道な努力を重ねている将来有望な新人等を発掘し、激励するための表彰制度として、平成14年度に設けました。




福田 廣平  【ふくだこうへい
(岩手県盛岡市)

民謡の歌唱、保存育成等



福田廣平氏(33歳)は、「よしゃれ節」と「外山(そとやま)節」のふる里に生まれ育ち、祖父母の膝や背中で聞いた唄を、地域の伝統と認識し、継承活動に積極的に取り組んでいる。
民謡以外でも「さんさ踊り」などの郷土芸能を地区住民と共にと掘り起こし、舞台に押し上げるよう努めている。また、多くの民謡大会への出場、「渋民荷方(しぶたみにかた)節」、「雫石(しずくいし)よしゃれ節」の保存育成活動、所属する会での後進の育成など、地元に根付いた諸活動を行っている。


表彰の選考にあたっては、都道府県、民俗学者、観光関係団体、商工会議所、商工会等のほか、マスコミ関係者等から候補者を推薦していただき、「高円宮殿下記念地域伝統芸能賞等選考委員会」が選定しました。


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